醸造酢の作り方
2026/03/28
これも時々聞かれるのです。
当地は果物農家さんも多いです。収穫量が多くて、全部を販売できそうもないなぁ。。。なんて時に農家さんから相談を受けたりするわけです。
果実は放置すると割とすぐに発酵します。
さらにそのまま放置すると酢になります。
これ何とか売れないかなぁ、とか。
特にそうしようとは思わなくても、結構いつの間にかそうなっていて、経験的に知っているケースも多いのです。
例えば。。。渋柿の場合、食べられるように渋を抜くには干したり、とろけるくらいに柔らかくなるまで放置したりします。なのですが、放置し過ぎると発酵します。
これ、我が家でもあったのですが、かなり大きな百目柿というここの特産の大きな干し柿用の柿をガラスの器に入れて、家内が放置し過ぎて発酵したことがありました。
で、私は柔らかくなった柿は苦手で食べない、家内はアルコールは苦手で食べない、ということでさらに放置していたら見事な酢に。(笑)
まあ、こんな感じで果実から作る酢は割と簡単にできますし、少量を家庭で使う分には誰にもわかりません。が、実は果実を発酵させれば立派なお酒、「密造酒」を造ったことになってしまうのです。
従って、これをそれなりの量を作って普通に売ろうとすると、税務署に摘発されるのです。(笑)
すなわち、ここで書くのは「作る方法」ではなくて、「密造酒として指摘されず、かつ販売できる方法」です。
ちなみに酒造メーカーの場合は、その気になればすぐに作れますし、売ることもできます。
が、かなり問題。酢酸菌はかなり強力な菌、酵母菌より圧倒的に強いのです。
こんなものが場内で大量発生したらもはやワインや日本酒、などと言っている場合ではありません。酢になってしまいます。特にワイン酵母のように弱い細菌を扱う場合には、酢酸菌、納豆菌は厳禁です。
このため、敷地も広くて別の建物に分けるなど、それなりの条件がないと、ワインビネガーなど怖くて手が出せません。
で、酒造免許を持っていない一般家庭や事業者が自分の育てた果実で酢を作りたい場合、お酒にするところまでは酒造メーカーに委託する必要があります。
委託醸造という形式で依頼すれば、引き受けてくれるところも割と多いですよ。
で、酒造メーカーから出荷するときには酒税が掛かります。
そのくらいは払いましょう。(果実酒の場合、現時点では1リットル100円、軽減措置を受けている小規模事業者では80円)
なお、初めからそのつもりで作っていれば、発酵停止せずに出荷できますので、より簡単に安全な酢を作ることもできます。
その後、アルコール度数10%以下の場合、
醸造酢(普通の食酢 酢度3.5%以上)を、果実酒10リットルあたり2.5リットル以上
または、
酢酸(薬局で購入する純度の高いー10%とか15%らしい-食品添加物指定のある酢)を10リットルあたり0.34リットル以上
を混入する必要があります。
なお、アルコール度数10%を超えている場合はもっと多くの酢を混入する必要があり、上記から割り増し分の計算式があります。
以上のような操作をすることで、販売可能な酢になります。
上記のようにそれなりの濃度の酢を混入しないと、それは法的には「アルコール飲料」のままで、酒販免許がないと販売できないのです。
(放置していれば酢になるからと何も混入しないのはNGなのです。)
なお、アルコール度数が1%以下になればもうアルコール飲料ではありませんが、それはそれで「なぜそうなった?何か製造行為をしてるだろ!」となるわけでややこしいのです。よって酢を混入しました!というのが正解です。
なお、酒税法にはここまで明記されているわけではありません。ので、各税務署によって細部の解釈は微妙に違うこともありますので、実際に販売までやりたい場合には所轄税務署に相談しておく方が安心でしょう。
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