ワインは毎年違うのです。
2024/04/07
一つ説明を忘れていました。
ワインって毎年違うのです。我々からすると当たり前なのですが、時々聞かれることもありますし、説明すると驚く方もおられるのです。
※写真はK la selezione privataの2021,2022,2023です。
(特に大規模ワイナリーでは)工場で大量に生産しているようで、でもやはり農業生産物でもあるワインの特長でもありますね。
大手のワイナリーでは、例えば同じ「甲州ぶどう」でも多数のタンクが並びます。このような場合、単純に1つ1つ順番に瓶詰するわけではなく、ある銘柄のワインであれば、毎年同じような傾向になるようにブレンドして出荷していたりします。こうして同じような感覚のワインが毎年安定して飲めるのです。これはこれで素晴らしい技術ですね。
しかしマイクロワイナリーではそうはいきません。今年の「甲州ぶどう」のタンクはこの1つだけ!なんて当たり前の話ですから。このため、「今年の甲州はこうなりました!」という製品になるのです。これはこれで面白いわけなのです。
毎年天候が違います。例えば昨年の2023年は日差しが強く、降水量も少な目。このため凝縮感のあるぶどうになります。例年より濃厚な雰囲気のワインが多く出回ることでしょう。近年で最も雨が多かったのは2019年でしょうか?やはり冷涼な気候を反映したあっさり目のワインが多くなったと思います。だからと言って必ずしも2023年が素晴らしく2019年がハズれか?と言えばそうとも限らない点が面白いところ。すっきりした酸味のあるワインが美味しいと感じる方は2019年の方が美味しかった、と言うかもしれません。
その他、発酵させる酵母が違ったり、ちょっとした温度や湿度の関係で発酵具合が変わったり、味が変わる要素は多数あるのです。更にワインは生きています。熟成によって徐々に変化します。
まあ、そんな差を楽しむこともワインの楽しみ方の1つなのです。
ビールや日本酒も元々は農産物ですから原材料は毎年違うわけですが、やはりでんぷん質を分解してから糖分を得るあたりが影響するのでしょうか?原材料の差が最終段階ではそこまでストレートに感じられない気がしています。(ってワイン業者だからそう感じるだけかもしれませんが。)
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